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ゆらめく炎に陶酔したい
そのまま時間を巻き戻したい

解けない謎でも切り捨てられず
戸惑う指先 明日が見えない

夜明けは誰でも恐れるもの
息を潜めても見つけられる

心変わりという魔物
に

★

ひろがる光に反逆したい
殺した感情 喧伝したい

乱れた歩調はもう戻らない
隠蔽するのも楽ではないし

決意は誰でも躊躇うもの
体温があるなら検知される

心変わりという魔物
に

────
────

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懐かしむような
イナサの風が吹く

筑紫野に春の花を呼ぶ

アヅミの心に刻まれた

あえかなサナギの謡(うた)
歌わせる

――旅人は故郷に立ち止まらない

――風待ちは必ず終わる日がくる

――ワタツミは潮路に舟霊を招び

――神々を小舟の舳先に祀る

海の果ての
邪馬台(クニ)を目指せ

天ツ筑紫野は
弥生の風のなか

──────────
イナサ……南東の風。

アヅミ……安積族。海洋民族。

あえかな……消え入るような、

サナギ……銅板を丸めた楽器。

ワタツミ……海洋民族の総称として、すべての日本人の共通の祖先のイメージとしてこの語を置いた。

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時々あなたのことが気になります。
一行だけの手紙書きたくなります

私は幸せついばむ小鳥です
小さな羽では届くはずなどないのに

回れ 回れ 運命
奪い取れ 勇気

重い 重い 呪文を
気楽に唱えよう

もう泣きません 木漏れ陽を集めて
誰よりも輝く
■
■
夢見ることだけ上手になりました
少しは器用に笑ってみたりできます

私は季節に遅れた小菊です
優しい少女よ 髪に飾ってください

回れ 回れ 法則
語り継げ 神話

重い 重い 摂理を
身軽に受け流す

もう泣きません 植物の言葉で
饒舌にささやく
────────────

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心はいつも
嘘を重ね着して強くなる

逃れられないならば
何度でも歌う

虹をくぐる鳥よ――
黄泉を恐れぬ蝉よ――

その閉じた目で
私のために泣いて

◆

記憶を秘めた螺旋を
刃物よりも恐れてる

冬に蒔かれた種の
契りを疑う

海をわたる蝶よ――
枝を棄てた鳩よ――

その醒めた目で
私の体を見て

――あんまり美しくないね――

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悪意だけで書かれた小説
読み飽きるのは仕方ないこと
特別なこと何もない

逃げ出す理由を思いつかず
また誰かにつながりたくなる
私に価値はあるのかな

──人々が暮らしてる
  この町で暮らしてる
  それだけで涙を流す
  嘘はどこにもない 

◆

何を優先すればいいのか
損失を恐れすぎてないか
誰かに確かめたい

もどかしいぐらいの生きかたを
実践できるなら幸せだ
跳びたい もう一度

──人々に許される
  私でも許される
  それだけでうずくまるから
  闇は訪れない

─────
─────

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過ぎた時を数えて
ひとり見てる空

光が射す一瞬<とき>を捉え
焼き付けておこう

夜明けの空が好きよ
あなたがいるから

どんな遠い涯までも
見えるようになりたい

重ね着をしていたあの頃の
思い出なら星座の形になれ

あなたと見ていたコバルトの
時間たちを閉じ込めておくから
▼▼
秘密の愛 数えて
ひとり見てる空

天使なんていないことを
記録しておこう

夜明けの空が好きよ
心を刺すから

強がりでもハッタリでも
拡散させてやりたい

化粧なんてイヤだったあの頃の
思い出なら星図を作り変えろ

目を閉じていても見えてくる
記憶たちを眠らせておくから
──────

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優しさに目覚めて
顔を上げ嘆こう

思い出は失ったトレジャーと同じと──

心を読まれてる
同情されている

進化する残酷は手に負えない感動──

誰でもいいから
シンクロしてほしい 

私の手持ちのコインを分けるから

私は空洞──

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プリズムに集めた
アポロンの光
古代の文献の
知識をあげよう

植物の言葉を
学びとるたびに
細胞の賦活を
認知するだろう

  君の愛に寄与する
  何かがあれば
  
  微力な私だって
  報われるはず

◆

つまづきの小石を
恐れないために
コリオリの力を
体幹に流せ

見慣れたスペクトル
飽きずに観るなら
知恵の梟(ふくろう)は
夜明けを待つだろう

  君が愛するものに
  色がつくなら

  微力な私だって
  報われるはず

─────
─────

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あなたを忘れるために
開いた本の表紙

あなたのいない世界は
こんな近くにある

 二人は身近すぎた
 愛撫を重ねすぎた

 あまりに知りすぎて
 空気に溶けていった

読書をしないあなたは
私に追い付けないわ

文学って翼なの
……わからないでしょうね

★

私に限界はない
行間をすり抜けるわ

あなたの即物論も
悪くはないけれど

 溢れだす光に
 私は身をまかせ

 自由と無秩序の
 境界に漂う 

そしてあなたは私の
裸身を見失うのよ

私が栞の位置を
更新するだけで

───
───

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湖が光るとき
騒ぎだす心

つながれ揺れるボート
遠くの水鳥

 声なき水底
 雲の姿に焦がれ

かすかに波が立てば
何かの責めに気づく

半分泣いた私
二度と会えない

家族

◆

湖が眠るとき
夢魔がやってくる

月が出ない夜だけ
深く眠れるよ

 レーテに赴く
 人の多さを嘆き

歪んだ笑み浮かべ
手紙を読み終える

まるで完全犯罪
心の奥の

安堵

────
────

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